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山本健吉の現代俳句(その6)

  芋の露連山影を正しうす       飯田蛇笏

  をりとりてはらりとおもきすすきかな

くろがねの秋の風鈴鳴りにけり

 飯田蛇笏の代表作三作を並べて、著者の蛇笏俳句の特長を読んでみよう。
「現代の俳人の中で堂々たるタテ俳句を作る作者は、蛇笏をもって最とすると誰かが書いていたのを読んだ事がある。そのことは、何よりもまず氏の句の格調の高さ、格調の正しさについて言えることである。」


おとのして夜風のこぼす零余子かな   飯田蛇笏

 私はこの句について著者の解説に注目した。
「作者はまさしく音をきいたのだが、その情景を見ているわけではない。靜かな夜、風とともにパラパラという可憐な音をきいたが、夜風が零余子をこぼしているとは、作者の判断であり、夜の闇に描き出す一つのイメージである。「おとのして」と冒頭にまず置いたのは、だから作者の行きとどいた心づかいと言うべきであろう」
 納得である。ここに句作の一つのコツがある気がした。


俳人たちの名句の裏側を覗いて見た『山本健吉の現代俳句』を読む)


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by haikutarou | 2017-09-20 08:27 | 名句鑑賞 | Comments(0)