山本健吉の現代俳句(その15)

流氷や宗谷の門波荒れやまず   山口誓子
夏草に汽缶車の車輪来て止まる

『年譜によれば誓子は十四歳にして俳句を作りはじめているが、本格的に精進しだしたのは三高に入ってからで、ことに大正11年東大にはいって「東大俳句会」を結成してから頭角を現してきた。そのうち秋桜子と短歌の調べや用語を取り入れ、失われていた抒情性を回復する試みなされた。それが画期的な四S時代を現出せしっめた原動力であった』

多感な14歳の誓子少年が俳句と向き合い、現状に満足すること無く、常に
挑戦的な句作活動を貫いたであろう姿が本書からもうかがい知ることが出来ました。
それが代表句「夏草」の圧倒的な迫力をもって当時の読者の度肝を抜いたであろう作品となり、現代俳句の原点になっていったのだと納得させられました。
そして、14歳の俳句少年も歳を重ねて自己を見つめるようになるのは自然のなりゆきあろうか(46歳のときの作品)

万緑やわが掌に釘の痕もなし  誓子

(ヒメヒオウギズイセンと夏草)
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by haikutarou | 2018-01-10 13:48 | 名句鑑賞