清川村吟行(その3)

吟行句会は即吟で投句しますから、後で推敲すると良い句になる可能性があります。見えた物を取って付けたような季語になり勝ちです。そこら辺を学習してみます。

耳を掻き背を掻く羅漢躑躅寺  園子
 合評でも指摘されていますが、下五の季語が決まれば大特選になる可能制もある作品だと私も思います。羅漢像の描写とはいえ、人の生活にも準ずる内容ですから、「時候」か「天文」が合いそうです。では今の季節から探ってみると「春の果て」「花曇」辺りなら一応落ち着きそうです。
 ホントに面白い内容ですから、もっと面白い季語がありそうですからじっくりと探って欲しいです。

しだれ桜誰に似たるや羅漢像  まさ一
 この句も季語が動きそうです。見えたもの何を持ってきても合いそうでホントに悩みます。この場合は「や」切れの季語を置くことで季語が強調されます。
 もう一つ、「誰に似たるや」が曖昧で作者の思いが弱くなります。「誰かに似てる」と限定した方が作者の思いが強まり、読者の余韻が広がります。
〈葉桜や誰かに似てる羅漢像〉葉桜の季節は人と人の出会いと別れの季節ですから読者自身の身にも置き換えて読んでもらえそうです。

酸模や皆で味見をしたりけり  虹子
 吟行の様子で楽しそうですが、これでは単なる報告です。俳句の基本は一人称ですから、楽しい舞台を自分用に仕立て直しが必要です。誰かの面白い仕草をちゃっかり戴いて自分のこと様に詠んでもいいし、誰かの仕草を面白可笑しく創作しても良し(誰かさんも笑えるようなもの)それが吟行の醍醐味だと思います。「酸模」は「すかんぽ」と平仮名書きのほうが良いのかも知れませんね。
〈すかんぽを噛んで酸つぱい味見かな〉

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by haikutarou | 2018-04-16 16:09 | 自句自解