少年期の思い出(その2)

 作文で褒められたことは嬉しかったが、あの頃の私はとにかく強くなりたかった。「もやし子」といじめる山猿たちと喧嘩して負かしたかった。大木のてっぺんまで登りたかった。だって奴らには「作文入賞、なんだそれ」と屁のかっぱで何の力にもならないと判っていた。

 中学生になって、私は図書室からグランドに出て野球に夢中になった。3年間補欠だったが、真っ黒に日焼けして、だれも「もやし子」と言われなくなったことで偉くなった気がしたものだ。

 これは大人になってから妹から聞いた話しだが、父が妹に「おまえが男だったら良かったのに」と言ったそうだ。それで納得というか、私ひとりを田舎にほっぽり出した父の本意が少し判った気がした。

きっと自分の死が判っていて強くなって欲しかったのだと思うが、そんなこと子供には判るはずもなく、父の死も悲しまない私を見て、親戚の叔母さんが「父さん死んだんよ、悲しくないの」と言ったのを覚えて入る。 
でも父の見立ては正しかったわけで、妹は女だてらに小さいながら、自分で会社を興し一国一城の主となってサラリーマンの私を散々馬鹿にしていた。


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by haikutarou | 2018-11-14 09:31 | 老いと暮らせば | Comments(0)