カテゴリ:「西瓜の種」(自作句集)( 112 )

青蛙

やり残す罪にあらがふ鉄線花
大蟻の黒光りして闇に消ゆ
雨垂れをはじきてはねる青蛙

金糸梅(きんしばい)
a0376672_12024969.jpg

by haikutarou | 2018-06-22 12:12 | 「西瓜の種」(自作句集)

合歓の花

カーテンのさはさは揺らぎ合歓の花
刃物屋と研屋をまはる梅雨晴れ間
枇杷の種ぺつとはき出す野辺であり

a0376672_15010422.jpg

by haikutarou | 2018-06-17 15:05 | 「西瓜の種」(自作句集)

仲良しくん

仲良しくん今朝も人待つ木下闇
舟頭は平成生まれ女子夏野
脳トレの消しゴムちびり夏の月

(アガパンサス)
a0376672_15351967.jpg

by haikutarou | 2018-06-16 18:14 | 「西瓜の種」(自作句集)

浜昼顔

夕映えの浜の四阿松落葉
大波に船見え隠れ浜昼顔
葛切や枝渡りゆく鳥の影

(浜昼顔)
a0376672_12445624.jpg

by haikutarou | 2018-06-14 12:54 | 「西瓜の種」(自作句集)

芍薬

芍薬のあつけらかんと開きけり
多佳子忌の今を盛りに青葉木菟

a0376672_11473401.jpg

by haikutarou | 2018-06-04 12:03 | 「西瓜の種」(自作句集)

渓流

沢をゆく男女十人花さびた
緑なす沢に山女魚の腹の赤
あの時の滴りの味夏帽子

a0376672_13070059.jpg


by haikutarou | 2018-05-25 13:15 | 「西瓜の種」(自作句集)

睡蓮

芍薬や大屋根の反り照り返す
睡蓮の一ひらごとに今朝の風
蝸牛決めかねてゐることのあり

a0376672_11193843.jpg

by haikutarou | 2018-05-23 11:24 | 「西瓜の種」(自作句集)

昼寝覚

夕刻の鐘に揺れるや花ユッカ
昼寝覚今朝の雨跡形もなく
手垢つく歳時記愛し沙羅の花

(ショウマ)
a0376672_18463982.jpg

by haikutarou | 2018-05-21 20:26 | 「西瓜の種」(自作句集)

富士山

雲海の果てや豆つぶほどの富士
蟇歩く後ろの山の暮れてゆく
オカリナを吹けば踊るか蛇苺

 富士山の偉さは登山者を元気づけることです。
どんなに疲れていても、雲の合間からその雄姿が見えたとき、皆が歓声をあげ小躍りします。
 まして目的の山頂に立ち、富士山を展望出来たときの至福感は体験した者でないと理解して貰えないかも知れません。
 私が一番遠くからの富士山展望は長野県と新潟県の県境に位置する奥穂高岳山頂からの、まさに豆粒ほどの大きさでしたが、しばし呆然自失状態で眺めていました。

(ノイバラの花)
a0376672_13250623.jpg

by haikutarou | 2018-05-18 13:45 | 「西瓜の種」(自作句集)

代掻き

代掻きの農夫老いけり畔に犬
裏山を映す植田を雲が行く
雉の啼き兎跳ねたる夏野かな

 代掻きとは田植え前に田の土を混ぜ返して土塊を細かく馴らす作業でした。昭和の時代は田植えといえば一家総出の大仕事でした。現代は代掻きも田植えも機械化され、ぽつんぽつんと一人作業です。
 「夏野」の句もその頃のよき時代の風景です。

a0376672_21264092.jpg

by haikutarou | 2018-05-16 16:06 | 「西瓜の種」(自作句集)