カテゴリ:朝日俳壇( 38 )

すぐ横は地震の断層代を掻く    井芹眞一郎
夏帽子振つて雲呼ぶ小海線     本谷眞治郎
遠き日のことよみがへる素足かな  物江里人
春惜しむ言葉の森や広辞苑     青木干禾子
草笛を返事にかえて駆けゆけり   梶 万喜子
食べ終へし葉の大きさよ柏餅    会田仁子
てふてふに鯨のごとき古墳かな   鬼形のふゆき
白といふ色の力や更衣       渡邊 隆
大岩に袈裟の如くに藤垂るる    酒井大岳
夏場所や海の匂ひの隅田川     竹内宗一郎

(沙羅の花(夏椿))
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by haikutarou | 2018-05-28 21:57 | 朝日俳壇

お返しの句作にはげむ夏九十五    細井華人
大いなる股間輝き初節句       菊地壽一
夏きざす海の音するネックレス    日下光代
朝寝するつもりでゐてもまだ六時   小田島美紀子
初蝶に風生む力ありにけり      杉山一三
シャワー浴び一直線のスケジュール  関根まどか
第一糸仕損じ蜘蛛の逆さ吊り     佐藤俊春
青空を見上げて無言鯥五郎      久野茂樹
花は葉に力蓄へ始めをり       大下雅子
さくらんぼ十まで数へられし子へ   大下雅子

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by haikutarou | 2018-05-22 23:11 | 朝日俳壇

凧ひとつ空の青さをさびしめり   吉川佳生
年年の治山歳歳の花うぐひ     三方 元
新緑や鶯の聲妥協なき       櫻井宗和
春惜む出船の汽笛長々と       松永翔風
新任の教師初花先ず語る      大久保白村
水満ちて田に夏来たる鷺の影    林田 諄
吊橋の下も青空燕過ぐ       萩原行博
下りて来し山は映らず雪解川    広川良子
父の骨埋めし大地の黄砂降る    たなかあやこ
花の信濃の俳句弾圧不忘の碑    河野昭子

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by haikutarou | 2018-05-14 22:25 | 朝日俳壇

全身で風を見てゐる野焼かな    佐藤博一
水褒めて新茶をめでて辞されけり  秋山和江
鯛めしの桜鯛見よほぐす前     吉田邦幸
李白杜甫何するものぞ花見酒    沢 博史
黎明の驟雨浮世を朧へと      堺 栄輔
筍は貰ふものなりいざ茹でん    池田典恵
縞馬は貌まで縞や木の芽吹く    望月喜久代
高々と光の蝶となりにけり     松村史基

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by haikutarou | 2018-05-06 23:20 | 朝日俳壇

春愁やこの明るさの中にゐて     藤岡京子
春昼やコントラバスの横たはる    氏家 孝
行春を惜しみて命惜しみたる     岩水ひとみ
辛夷咲く傷み激しき空家かな     田中節夫
無人駅つばめの駅となりにけり    北村純一
ハト・スズメ・カラス尻目に燕来る  あらゐひとし
晩学の径に友あり花の山       向井明美
峡の宿夢でもさくら散つてをり    田村英一
飛花落花谷の深さを辿りけり     柿坂伸子
春昼や怒りはすでに腹の奥      小田慶喜
残花なほ薄日集めて華やげる     湯浅芙美
てまひまを惜しまぬ母の草の餅    岩崎ゆきひろ

 昨年暮れから、この様な形で朝日俳壇と関わるようになって半年が過ぎようとしているが、最近、感じることは私の選句眼が良くなってきたことである。句会での選句にも迷いが少なくなり確信をもって選句できるようになってきた気がする。
 新聞から、ここに掲載するまでにはチェックを含めて少なくとも5回は打ち込み、読み返しの確認をしている。そこから私の好きな作品順に並べ替えているから、ほぼ一日仕事である。一週間に一度という頻度も学ばせて貰うには最適だと思っている。
 もう一つ感じることは、多くの入選常連の人達がいることだ。まぐれ当たりでない実力の持ち主達の凄さと、私の未熟さを思い知らされる。その内に私の時代が来る。
 「継続は力だ」

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by haikutarou | 2018-04-30 12:08 | 朝日俳壇

人一人犬一匹の花筵       保坂倶孝
どうしようもない僕にも花吹雪  富岡信明
北国に花の吉野をなつかしむ   信清愛子
花の奥水の奥へと鯉の影     森住昌弘
花を追ふ健脚羨し西行忌     吉田敦子
春の田の混沌として水を待つ   渡邊 隆
若者の寮に百年花吹雪      西山 亟
輪郭のみな失せてゆく朧の夜   遠藤嶺子
若鮎の宙より落ちてまた跳べり  山本けんえい
達治忌へ桜前線到達す      今村克治
春愁や乳房の位置の定まらぬ   間渕昭次
悪戦苦闘のただ中に柏餅     熊瀬川貴晶
どの山も肩なだらかに笑ひけり  笠井 彰

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by haikutarou | 2018-04-22 16:23 | 朝日俳壇

海に道山に道あり虚子忌かな    碓井ちづるこ
円周率春の愁ひとなりにけり    上田秋霜
此の花に間に合うた人合わぬ人   酒井湧水
老いてなほ気になる流行夏帽子   引地こうじ
囀の一斉に止む間合ひかな     ハルツォーク洋子
石庭にすつと溶け込む落椿     熊埜御堂義昭
こころねもやさしくなりし桜かな  船山セツ子
全山のかるくなりたる桜かな    森本幸平
行く春や狼哭き鮫の目は泪     瀧上裕幸
凧揚げて人は小さくなりにけり   服部康人

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by haikutarou | 2018-04-17 19:42 | 朝日俳壇

渾身の直球投げて卒業す      涌羅由美
析の入りて鬢付けにほふ東風の街  本谷眞治郎
(/きのいりて/びんづけにほう/こちのまち/)
初蝶の青信号を渡りけり      加門美昭
大空はひとりにひとつ卒業す    土方けんじ
死ぬること一大事なり花の山    正谷民夫
桜餅さげて元気な顔見せ来     多田羅初美
何やらの封印を解き春たける    藤森荘吉
青空へ思ひ思ひに辛夷咲く     秋岡 実
茶畑の百年伝ふ桜かな       福地子道
太く濃き兜太の一書あたたかし   清水呑舟

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by haikutarou | 2018-04-08 16:24 | 朝日俳壇

夜もすがら轟く富士の雪崩なる    小俣紀子
鳥雲に入り杣びとら山に入る      酒井大岳
掌に白の閑さ眠る蝶         藤田晋一
湖の面に綺羅を残して鳥帰る     高瀬竟二
ホ句学ぶ終生卒業する気なく     辻 美彌子
雁風呂や万の命を呑みし海      池田雅かず
春眠をむさぼる若さ我にあり     鈴木清三
残されし人のあはれや花の頃     小川 弘
此処かしこ桜大樹や西行忌      吉野佳一
春宵や人誹らずに旨き酒       神村謙二
春の夜や虚子命名の酒を酌む     西田鏡子
古墳群抱き梅の丘梅の谷       早川水鳥

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by haikutarou | 2018-04-02 12:23 | 朝日俳壇

阿蘇遠く浮雲近し麦を踏む      今村榾火
日輪になほも近づく奴凧       青山勇二
墳丘の菜の花蝶と化しにけり     あらゐひとし
雛納めわが納棺のふと過る      友藤八重子
春水を待ちゐし鯉や直進す      内藤 孝
園丁のしばらく落花任せてふ     石田わたる
さみどりは未来ある色梅ふふむ    高橋純子
風車つまらなさうに止まりけり    日原正彦
晴れといふだけで春愁ふつとびぬ   田中由紀子
でたらめな口笛がゆく春あした    中村小城南
野の光まとひつつ蝶生まれけり    坂田美代子
未黒野にしてしまひたる草千里    井芹眞一郎

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by haikutarou | 2018-03-26 19:32 | 朝日俳壇