山里の風の寒さよ木守柿

青々と冬芽を伸ばす青木かな

水の湧くところ好きらし鴨一羽

鴉去り乱れをさまる鴨の陣

雲とれて波紋広がる鴨の池

 これまで何度となく吟行に訪れている谷戸山公園でもう自分の庭のような所で季節ごとの風景が頭に浮かぶ位に精通しているつもりが、句会の合評でまだまだ自分の知らない風景が俳句に詠まれている事に驚きながら、これが吟行句会の楽しさであり醍醐味だと納得する。
 今回の私は鴨池でのネタ探しに粘ってみた。丁度、鴨たちの朝食時間らしく、盛んに潜って餌を漁っていた。その潜りに上手い下手が顕著でその面白さに見とれてしまった。朝食が終わり陸地に上がってくつろいで居るところに、鴉が来て大慌てで池に飛び込む様子も緊迫感があったが一句にまとめきれなかったのは力不足だ。

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by haikutarou | 2017-11-29 10:16 | 「西瓜の種」(自作句集)

運ばるる馬の眸に枯野かな     青柳 悠

大花野喜寿の少年少女たち     笠井 彰

星の影庵になづむ虫の声      黑田國義

おっとっとこぼしちゃいけない新走 宮入つる

お礼肥撒くや忽ち冬に入る     芝岡友衛

悪戯の全身ゐのこづちだらけ    山岡冬岳

野を駆けて大地の一部兎の眼    豊原清明

白樺の色付く頃や鷹渡る      鈴木しどみ

by haikutarou | 2017-11-27 20:07 | 朝日俳壇

蓮の骨

葉牡丹の渦にからまる悲鳴かな

雑踏の音を沈めて蓮の骨

ある午後の銀杏落葉のざんざめき

日溜まりの阿弥陀堂より冬菫

極月のこむら返りに身を反らし


今年も残り少くなった。
今年は自分の俳句を変えたいと模索し続けた一年だったと思う。
まだまだ確信はないが少しは変わったかなと思う。
少なくとも目指すべき形は見えて来た気がする。

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by haikutarou | 2017-11-27 10:49 | 「西瓜の種」(自作句集)

震生湖

軒よりも高きにありて冬薔薇

帽子だけ見せ畑仕事小六月

乳母車急ぎ行くなり石蕗の花

迷い蜂二三来ている石蕗の花

風の吹く度に色変へ紅葉湖

晴れ渡る秦野盆地や山眠る

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by haikutarou | 2017-11-25 16:53 | 「西瓜の種」(自作句集)

俳句トーナメント 【準々決勝】
○初秋刀魚先の欠けたる醤油差し
【選者】佐久間慧子先生

雑詠【佳作】
○柿食うて少々長き余生かな
【選者」有馬朗人先生・稲畑光太郎先生・佐藤麻績先生

雑詠【佳作】
○板塀の落書のこり鳳仙花
【選者】辻 桃子先生・山田桂乃先生

by haikutarou | 2017-11-24 08:12 | 雑誌『俳句界』入選作

鴨の陣

銀輪を剥がすごと老い落葉焚く

こがらしや叉焼五枚の中華店

水脈ひいて先陣切るや鴨の陣

鷺止まる杭のぬめりや冬の川

菜畑に猫車(ねこ)押す人や頰被

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by haikutarou | 2017-11-23 19:40 | 「西瓜の種」(自作句集)

十代目 柳家小三治師匠

 朝日新聞朝刊に連載の『人生の贈りもの』を愛読しています。その道で名をはせた人生の達人が語る珠玉の人間模様です。今週から歌手の森昌子さんが登場していますが先週は落語家で人間国宝でもある十代目柳家小三治師匠でした。
 若い頃の小三治師匠の落語は好きでよく聞いて居りましたが、久々の師匠の顔写真が柔和な好々爺に変貌されていることに驚きました。
 今回の連載の中で俳句の話が出て来て、小沢昭一さんや永六輔さんで有名な『東京やなぎ句会』の古参だというこを知り、この人の人事俳句はどんな味がするのだろうと興味ありますね。落語の裏側にある風景や人間模様を言葉で想像させる技と俳句の技は相通ずるものがあると納得して句集を読んでみたいですね。
 
 小三治師匠が好きだという俳句
 〈母の日の袋物屋をのぞきけり  入船亭船橋〉

by haikutarou | 2017-11-23 12:12 | たかが俳句されど俳句

相模川

蜘蛛の囲にかかる枯葉や神の庭

白鷺の中州に一羽神の留守

枯芙蓉かさかさ鳴つて神の庭

小春日のロマンスカーの走りけり

草枯れて水の青さや相模川

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by haikutarou | 2017-11-21 23:44 | 「西瓜の種」(自作句集)

朝日浴び鼬が走る突つ走る      内野 修

晩秋やあつさりと癌告知さる     松重幹雄

冬蝶と歩くえつちらおつちらと    赤司忠生

寒いから今日はシュチューと御飯事  酒井湧水

母と見る生まれたてなる後の月    筒井慶夏

朝霧や下の村より牛の声       田中正和

立読みのあと日記買ふ紀伊国屋    中谷ますお

紅葉山全山落暉燃え尽きん      行者 婉

by haikutarou | 2017-11-20 20:44 | 朝日俳壇

酉の市

川沿いを遠回りして酉の市

冷やかしの掌ほどの熊手買ふ

締打ちもう一丁と舞う熊手

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by haikutarou | 2017-11-19 16:14 | 「西瓜の種」(自作句集)