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春愁やこの明るさの中にゐて     藤岡京子
春昼やコントラバスの横たはる    氏家 孝
行春を惜しみて命惜しみたる     岩水ひとみ
辛夷咲く傷み激しき空家かな     田中節夫
無人駅つばめの駅となりにけり    北村純一
ハト・スズメ・カラス尻目に燕来る  あらゐひとし
晩学の径に友あり花の山       向井明美
峡の宿夢でもさくら散つてをり    田村英一
飛花落花谷の深さを辿りけり     柿坂伸子
春昼や怒りはすでに腹の奥      小田慶喜
残花なほ薄日集めて華やげる     湯浅芙美
てまひまを惜しまぬ母の草の餅    岩崎ゆきひろ

 昨年暮れから、この様な形で朝日俳壇と関わるようになって半年が過ぎようとしているが、最近、感じることは私の選句眼が良くなってきたことである。句会での選句にも迷いが少なくなり確信をもって選句できるようになってきた気がする。
 新聞から、ここに掲載するまでにはチェックを含めて少なくとも5回は打ち込み、読み返しの確認をしている。そこから私の好きな作品順に並べ替えているから、ほぼ一日仕事である。一週間に一度という頻度も学ばせて貰うには最適だと思っている。
 もう一つ感じることは、多くの入選常連の人達がいることだ。まぐれ当たりでない実力の持ち主達の凄さと、私の未熟さを思い知らされる。その内に私の時代が来る。
 「継続は力だ」

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by haikutarou | 2018-04-30 12:08 | 朝日俳壇 | Comments(0)

渓流にて(奥多摩)

虫飛んで魚ひるがへる薄暑かな
山吹や山女魚釣師の低き声
沢渡る蜂の羽音や藤の花

(山法師)
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by haikutarou | 2018-04-29 13:53 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

夏来る

恋などと言ひつ見てゐる猫の恋
お先にと逝つたあいつの夏帽子
ボートには少女の名前五月来る

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by haikutarou | 2018-04-28 15:49 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

「俳句界」4月号
○〈佳作〉輪飾を掛けて籠りし山家かな
    選者:堀本裕樹(敬称略)
○〈佳作〉冬日向後ろの闇の恐ろしき
    選者:今瀬剛一(敬称略)

「俳句界」5月号
○〈佳作〉大寒の長谷の大仏風よけに
    選者:稲畑廣太郎(敬称略)
○〈佳作〉寒晴や嘴たたくフラミンゴ
     選者:佐藤麻績 田島和生 行方克巳 西池冬扇(敬称略)

(樟若葉)
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by haikutarou | 2018-04-25 14:20 | 雑誌『俳句界』入選作 | Comments(0)

人一人犬一匹の花筵       保坂倶孝
どうしようもない僕にも花吹雪  富岡信明
北国に花の吉野をなつかしむ   信清愛子
花の奥水の奥へと鯉の影     森住昌弘
花を追ふ健脚羨し西行忌     吉田敦子
春の田の混沌として水を待つ   渡邊 隆
若者の寮に百年花吹雪      西山 亟
輪郭のみな失せてゆく朧の夜   遠藤嶺子
若鮎の宙より落ちてまた跳べり  山本けんえい
達治忌へ桜前線到達す      今村克治
春愁や乳房の位置の定まらぬ   間渕昭次
悪戦苦闘のただ中に柏餅     熊瀬川貴晶
どの山も肩なだらかに笑ひけり  笠井 彰

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by haikutarou | 2018-04-22 16:23 | 朝日俳壇 | Comments(0)

朴の花

晩学は孤独なりけり朴の花
行く春の指折りしてる厠かな
投函のかろき鼓動や春の宵

 締め切りぎりぎりの真夜中のポストに投函するのは何とも言えない気持ちになります。何とか仕上げた開放感、自信ある時の期待感・・・たまらないです。そんな甘い幸福な気持ちは結果発表間でのことで「ああ!」で終わります。一週間くらいは落ち込みますが徐々に次に向けて気持ちを高めていくという繰り返しをしています。
 我ながら偉いと思う。

(朴の花)
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by haikutarou | 2018-04-21 17:21 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

花みずき

ごみ出しの後の背伸びや花みずき
残る歯をせつせと磨く老いの春
独り居の気立てよろしき木の芽風

 俳句雑誌を読むと大正末から昭和一桁から年代生まれの長老が威風堂々と若々しい俳句を詠まれていることに驚きます。時々に弱気の虫が出る私などは「老いるのはまだまだ早い」と活を入れられそうです。そんな長老に負けずと若い俳人の活躍も近年ことに目立って来ました。何の世界でも若手の活躍するところには希望があり嬉しいことです。
 長老の元気溌剌な姿を紹介し、才能のある若者を発掘しようという俳句雑誌の姿勢に敬意を表しながら毎月の発売日を心待ちにしています。 
 俳句歴40年の大ベテランと一年未満のひよっ子、会社の社長と派遣社員も平等に俳号で呼び合い、秀句には感嘆し合い、佳句にするために研鑽し合う句会に出ていると老いてはいられない気持ちにさせてくれる、よき余生の相棒となっています。
 
(花みずき)
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by haikutarou | 2018-04-20 19:53 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

夏近し

春雨に音色をつけて軒雫
行く春や見上げてをりぬ窓灯り
余生とは振り返ること夏近し

『60歳からの人生において正面きって向かい合いこちらから仕掛けていけば、こんなにやり甲斐生き甲斐のある人生の時は他にあるものではないのです』と言い切ったのは元都知事の石原慎太郎氏(老いてこそ人生)です。この言葉を信条に老いの余生を過ごしているが、現実には段々と季節の変わり目が厄介になって来つつあります。

(石楠花)
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by haikutarou | 2018-04-18 17:08 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

海に道山に道あり虚子忌かな    碓井ちづるこ
円周率春の愁ひとなりにけり    上田秋霜
此の花に間に合うた人合わぬ人   酒井湧水
老いてなほ気になる流行夏帽子   引地こうじ
囀の一斉に止む間合ひかな     ハルツォーク洋子
石庭にすつと溶け込む落椿     熊埜御堂義昭
こころねもやさしくなりし桜かな  船山セツ子
全山のかるくなりたる桜かな    森本幸平
行く春や狼哭き鮫の目は泪     瀧上裕幸
凧揚げて人は小さくなりにけり   服部康人

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by haikutarou | 2018-04-17 19:42 | 朝日俳壇 | Comments(0)

清川村吟行

朝取りの籠に一枝の花蘇枋
ひそと咲く十二単や破れ祠
夏めくや休業中の雑貨店

 青草句会の連中と清川村役場周辺の吟行に出掛けました。まさに新緑の真っ盛りで黄緑から紅殻色までそれぞれの木々が斑点のような模様をつくり、カメラでぱちりではなく、キャンバスに色を塗りたくってみたくなるような風景でした。
 3月から花粉症で野外散策を控えていたので、晩春の光り眩しくてもうサングラスが必要なくらいでした。
 写真の花蘇枋は好きな花ですがもう花の終わりまぎわでピンクの色が薄くなっていました。珍しい野草も見つけました。十二単(じゅうにひとえ)です。子の野草は似た種類が多く、正確には一寸自信ありません。
 「夏めくや」の句は山野は百花繚乱の中バス停傍の雑貨屋さんが半休業の様な状態でした。昔は利用客の多い店だと記憶していたので自然との対比でその哀れさを表現したかったのです。

(花蘇枋(はなずおう)
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by haikutarou | 2018-04-13 22:51 | 折々の一句 | Comments(0)