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すぐ横は地震の断層代を掻く    井芹眞一郎
夏帽子振つて雲呼ぶ小海線     本谷眞治郎
遠き日のことよみがへる素足かな  物江里人
春惜しむ言葉の森や広辞苑     青木干禾子
草笛を返事にかえて駆けゆけり   梶 万喜子
食べ終へし葉の大きさよ柏餅    会田仁子
てふてふに鯨のごとき古墳かな   鬼形のふゆき
白といふ色の力や更衣       渡邊 隆
大岩に袈裟の如くに藤垂るる    酒井大岳
夏場所や海の匂ひの隅田川     竹内宗一郎

(沙羅の花(夏椿))
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by haikutarou | 2018-05-28 21:57 | 朝日俳壇 | Comments(0)

渓流

沢をゆく男女十人花さびた
緑なす沢に山女魚の腹の赤
あの時の滴りの味夏帽子

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by haikutarou | 2018-05-25 13:15 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

睡蓮

芍薬や大屋根の反り照り返す
睡蓮の一ひらごとに今朝の風
蝸牛決めかねてゐることのあり

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by haikutarou | 2018-05-23 11:24 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

お返しの句作にはげむ夏九十五    細井華人
大いなる股間輝き初節句       菊地壽一
夏きざす海の音するネックレス    日下光代
朝寝するつもりでゐてもまだ六時   小田島美紀子
初蝶に風生む力ありにけり      杉山一三
シャワー浴び一直線のスケジュール  関根まどか
第一糸仕損じ蜘蛛の逆さ吊り     佐藤俊春
青空を見上げて無言鯥五郎      久野茂樹
花は葉に力蓄へ始めをり       大下雅子
さくらんぼ十まで数へられし子へ   大下雅子

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by haikutarou | 2018-05-22 23:11 | 朝日俳壇 | Comments(0)

昼寝覚

夕刻の鐘に揺れるや花ユッカ
昼寝覚今朝の雨跡形もなく
手垢つく歳時記愛し沙羅の花

(ショウマ)
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by haikutarou | 2018-05-21 20:26 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

富士山

雲海の果てや豆つぶほどの富士
蟇歩く後ろの山の暮れてゆく
オカリナを吹けば踊るか蛇苺

 富士山の偉さは登山者を元気づけることです。
どんなに疲れていても、雲の合間からその雄姿が見えたとき、皆が歓声をあげ小躍りします。
 まして目的の山頂に立ち、富士山を展望出来たときの至福感は体験した者でないと理解して貰えないかも知れません。
 私が一番遠くからの富士山展望は長野県と新潟県の県境に位置する奥穂高岳山頂からの、まさに豆粒ほどの大きさでしたが、しばし呆然自失状態で眺めていました。

(ノイバラの花)
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by haikutarou | 2018-05-18 13:45 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

代掻き

代掻きの農夫老いけり畔に犬
裏山を映す植田を雲が行く
雉の啼き兎跳ねたる夏野かな

 代掻きとは田植え前に田の土を混ぜ返して土塊を細かく馴らす作業でした。昭和の時代は田植えといえば一家総出の大仕事でした。現代は代掻きも田植えも機械化され、ぽつんぽつんと一人作業です。
 「夏野」の句もその頃のよき時代の風景です。

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by haikutarou | 2018-05-16 16:06 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

十薬

夜濯する終の住処や風涼し
短夜や明けの気配の生臭き
十薬や老いては無念無想とす

「十薬」とは植物の蕺菜(どくだみ)のことで、4枚花弁が十字架のように開く事からこの呼び名が季語として定着しています。ご存知の通り、蕺菜は薬草としての効用が知られており、私の祖父も煎じ薬として愛用していました。

(蕺菜(十薬)の花
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by haikutarou | 2018-05-15 21:29 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)

凧ひとつ空の青さをさびしめり   吉川佳生
年年の治山歳歳の花うぐひ     三方 元
新緑や鶯の聲妥協なき       櫻井宗和
春惜む出船の汽笛長々と       松永翔風
新任の教師初花先ず語る      大久保白村
水満ちて田に夏来たる鷺の影    林田 諄
吊橋の下も青空燕過ぐ       萩原行博
下りて来し山は映らず雪解川    広川良子
父の骨埋めし大地の黄砂降る    たなかあやこ
花の信濃の俳句弾圧不忘の碑    河野昭子

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by haikutarou | 2018-05-14 22:25 | 朝日俳壇 | Comments(0)

熊ん蜂

緑陰を抜ける蝶々のばたつけり
落し文抜け殻にして愛しかり
熊ん蜂毒針出して倒れけり

(ワチガイソウ)
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by haikutarou | 2018-05-12 10:03 | 「西瓜の種」(自作句集) | Comments(0)